子どもはなぜ“ふざける”のか—「ちゃんとしない理由」を理解し、長期で育てるために
- A-cos sportsclub
- 9月26日
- 読了時間: 4分
◆ 1. ふざけは「やる気がない」証拠ではない
子どもがさまざまな活動のときに
一生懸命やらずにおどける
失敗したあとに笑ってごまかす
練習を途中で投げ出す
そんな場面を目にすることがあります。
つい「なんでちゃんとしないの?」と感じてしまいますが、ふざけは“怠け”ではなく、子どもなりのサインです。
ふざけの裏には、こんな心理が隠れています。
不安や自信のなさ:「どうせできないかも」という気持ちを隠す。
自己評価の防御:本気でやって失敗したら傷つく → わざと軽くやっておく。
注目してほしい気持ち:「見ててほしい」という思いをおどけで表す。
つまり、ふざけは“守りの行動”。やる気がないからではなく、「怖い」「見てほしい」「傷つきたくない」という心の現れなのです。
◆ 2. 失敗を「成功の一部」ととらえる
大人ができるのは、子どもに「失敗=前進の一部」という見方を伝えることです。
心理学者ドゥエック(Dweck, 2006)が提唱した 成長マインドセット では、
「失敗は能力の限界」ではなく「学びの材料」
「結果」より「過程や挑戦そのもの」に価値がある
と考えます。
大人が「挑戦したことを評価する」姿勢を持ち続けると、子どもは「失敗は次につながるもの」と理解しやすくなります。
◆ 3. 年齢・発達に応じた受け止め方
ただし、子どもは必ずしも「失敗は次につながる」とすぐに理解できません。
発達心理学によれば、小学校低学年ごろまでは「未来の学び」よりも「今の結果」に敏感です(Piaget)。
だからこそ大人は、目の前の気持ちを言葉にして受け止めることが大切です。
「悔しかったね」
「楽しかったね」
「頑張ったの見てたよ」
こうした声かけで、子どもは「結果がどうであれ認めてもらえた」と安心し、次の挑戦に進みやすくなります。
◆ 4. 目標のある子とない子の違い
ふざけの出方は、「目標を持っているかどうか」でも変わります。
目標のある子
「この技がやりたい!」と理由があるから、基礎練習にも主体的に取り組みやすい。→ これは心理学でいう 内発的動機づけ の状態です。
目標のない子
練習の意味を見いだせず、やらなかったり適当にやったりする。
ただし、目標を自ら持つには条件があります。
ある程度の 自信(自己効力感) が必要ですし、課題を見通して「やってみたい」と思えるのは発達段階によっても違います。
つまり、目標を持つこと自体が“成長の証”であり、誰もがすぐにできるわけではありません。
だからこそ、大人が無理に与えるのではなく、子どもが自分で持てるようになるまで支え、待つことが大切です。
◆ 5. 「やらない=悪ではない」と考える
子どもが活動をやらないとき、大人はつい「怠けている」と思いがちです。
しかし発達心理学の視点では、やらない時期も成長の一部です。
Piaget:その課題に取り組む準備がまだできていないことがある。
Erikson:幼児〜学童期は「やる/やらない」を自分で決める経験そのものが大事。
したがって、大人が「やらないこともある」と受け止めて待つことは、子どもの 自律性(自分で決める力) を守る行為になります。
◆ 6. 「待つこと」の効果
研究(Deci et al., 1991)でも、強制的にやらせるよりも 自分のタイミングでやる方が長続きする ことが示されています。
「自分でやりたい!」という芽が出るのを待つことは、長期的には
挑戦を楽しむ力
自分を信じる力(自己効力感)
につながります。
つまり、「今はふざけているように見える」子も、時間をかければ“やってみたい”に変わるのです。
◆ まとめ
子どものふざけは「やる気のなさ」ではなく、不安・自信のなさ・注目してほしい気持ちのサイン。
失敗は「成功の一部」として受け止め、挑戦そのものを評価することが大切。
子どもは「未来」より「今の結果」に敏感だから、気持ちや姿勢をその場で認めてあげる。
目標を持つには自信や発達の準備が必要であり、すぐに持てるとは限らない。やらない=悪ではない。
強制するのではなく、待つことが挑戦を楽しむ力につながる。
私はこれらのことを大事に指導しております。
何か疑問に思ったことやもっと詳しく聞いてみたいことがありましたら、お気軽に聞いてください。


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